HSS?HSE?いろんなものが出てきて混乱してきた…。
HSS型HSPとHSEって結局何が違うの??
アメリカの心理学者アーロン博士がHSPを提唱してから、HSPという概念が広く知られるようになりました。
そんな中、HSPには4つの種類があるという考え方が広まっています。
HSP / HSS型HSP / HSE /HSS型HSE
みなさんはこの4つを明確に理解できていますか?
そこで今回は、HSPの種類4つをその特徴とともに解説していきます。
また、私たちはこういった種類分けにどう向き合うべきなのかお話します。
- HSPの種類について混乱している
- 自分はHSPの中でもどれに当てはまるのか知りたい
- HSEとHSS型HSPの違いが知りたい
HSPの種類とその特徴
HSPとは、刺激に敏感で繊細な気質を持った人のこと。
アメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士が著書『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ』で提唱した概念です。
HSP(Highly Sensitive Person)
「繊細な気質を持った人」や「敏感な人」のこと
特徴としては、
- 他人に気を遣いすぎる
- 機嫌が悪い人がいると自分のせいではないかと心配になる
- 大きな音に驚きやすい
- 人混みにいると疲れる
- 光や音の刺激に弱い
- 感受性が豊かで映画など作品に入り込みやすい
- 傷つきやすい
- 心配性・不安症
などが挙げられます。
自分がHSPかもしれないと感じる方は、まずはアーロン博士が提唱するHSPセルフテストをしてみることをおすすめします。
私は27問中23個当てはまりました!
近頃、そんなHSPには4つの種類が存在するという考え方が広まっています。
HSPの4種類
- HSP(内向型HSP)
- HSS型HSP(刺激探求型HSP)
- HSE(外向型HSP)
- HSS型HSE(刺激探求型HSE)
この4つは繊細で傷つきやすいHSPであることは共通していますが、
- 内向的か外向的か(社交的であるか)
- 刺激を求めるタイプか(HSS要素)
の2つの基準からタイプが分かれると言われています。
図にすると以下のような感じ。
- HSP(内向型HSP)
内向的+刺激を求めない - HSS型HSP(刺激探求型HSP)
内向的+刺激を求める - HSE(外向型HSP)
外向的+刺激を求めない - HSS型HSE(刺激探求型HSE)
外向的+刺激を求める
ということになります。
1つずつ詳しく確認していきましょう。
HSP(内向型HSP)
ここでいうHSPとは、HSP全般のことではなく内向型のHSPを指します。
多くの人がイメージするHSPは、この内向型HSPのことではないでしょうか。
HSP(内向型HSP)の特徴
- 誰かといるより一人でいる方が好き
- 安定を求める
- 人が得意ではない
- 大人しい、物静か
- あまり自分の気持ちを打ち明けるのが得意ではない
内向型HSPの特徴として顕著なのが、一人を好むということ。
誰かと何かをするよりは、読書をしたり一人の時間を楽しみたいタイプ。
他人から物静かだと思われることも多く、他人に自分の気持ちを伝えるのが苦手な面もあります。
変化は求めず、変わらない日常を好みます。
リスクのある行動はほぼしないと言えるでしょう。
僕はまさに内向型HSPです。一人で音楽を聴いている時間が一番幸せ!
HSPは苦手な刺激との付き合い方がポイント。うまく刺激をかわせるように対策をしていくと生きづらさを解消できそう。自分が合わない環境からはすぐに離れることもおすすめします。
HSS型HSP(刺激探求型HSP)
HSSとは「High Sensation Seeking」の略で、HSS型HSPとは内向型HSPに刺激探求心がついたもの。
HSE(外向型HSP)と混同しやすいので、しっかり確認しておきましょう。
HSS型HSP(刺激探求型HSP)の特徴
- 誰かと一緒にいるより一人が好き
- 飽き性
- 冒険心がある
- 一人で出かけることが好き
- 天才タイプ
一人が好きだったり、人とコミュニケーションを取るのが得意ではないところは、内向型HSPと共通しています。
一方で、決定的に違うのがHSS型HSPは刺激を求めるという点。
変わらない日常をつまらなく感じたり、飽き性で興味が移りやすいところがあります。
好奇心旺盛で一人で旅行に行ったり、突然周りを驚かせるような行動を取ることも。
人と群れない上に周囲をあっと驚かせるような行動力があるため、周りから「天才タイプ」だと一目置かれているという人もいます。
そんなHSS型HSPですが、繊細な気質には変わりはありません。
刺激を追いすぎてもつらくなるし、刺激が全くない生活も苦痛。
刺激を求めるのに刺激に疲れてしまうという矛盾を抱えています。
HSS型HSPの抱える矛盾については、【HSS型HSPの特徴】HSS型HSPとは?刺激を求める繊細さんの7つの特徴にてご紹介しています。
刺激のバランスが大事。予定を組むときは休息も予定として組み込んで、活動する時間と休む時間のバランスを保ちましょう。刺激探求心が暴走して後悔することがないように、一歩踏みとどまって考える時間も必要です。
HSE(外向型HSP)
HSEとは「Highly Sensitive Extrovert」の略で、HSPでありながら外向的な気質を持った人のこと。
実はHSEの大半がHSS型要素を持っていて、実際には単純なHSEほとんど存在しないと言われています。
HSE(外向型HSP)の特徴
- 人と関わることが好き
- 自分の気持ちを共有したがる
- 変化は求めず安定を好む
- 孤独になると不安を感じる
HSPと明らかに違うのは、人と関わることが好きな点。
一人よりも誰かと一緒にいることを好み、自分の気持ちを他人と共有したがります。
一人を嫌い、孤独になると不安を感じる人もいます。
そのように人と関わることが好きな一方で、傷つきやすく疲れやすいところはHSPと同じ。
社交性が高い分、刺激に触れやすく疲れやすいため注意が必要です。
HSEがHSS型HSPと違うのは、変化を好まないところ。
HSS型HSPは冒険家なところがありますが、HSEは社交的なだけで刺激を求める気質はありません。
同じ人と関わりながら変わらない日々を過ごしたいタイプと言ってもよいかもしれません。
孤独との付き合い方を考えよう。自分が好きなことを見つけて一人の時間を満足して過ごせるようになると、心穏やかに過ごせます。
HSS型HSE(刺激探求型HSE)
HSE(外向型HSP)に刺激探求心がついたものがHSS型HSE。
HSEの大半がHSS型HSPと言われています。
HSS型HSEの特徴
- 好奇心旺盛で行動力がある
- 人と関わることが好き
- 社交性が高い
- 孤独が怖い
HSEと同様、人と関わることが好きで孤独を恐れるところがあります。
社交性が高く、コミュニケーション能力に長けているので多くの人に好かれやすいです。
また、HSS(刺激探求)要素があるため、好奇心旺盛で行動力を発揮することも。
チームワークが得意でリーダーに抜擢されることもあります。
ここまで聞くと「良いこと尽くしじゃないか!」と思うかもしれませんが、繊細な気質は同じであることを忘れてはいけません。
外向的だからこそ他のHSPに比べて人と関わる機会が多く、傷つく経験が多い傾向にあります。
また、社交的なイメージが強い分、勘違いをされやすいことに気を付けなければなりません。
他人に素の自分を出すことができなかったり、傷つきやすいということに理解が得られにくいことも。
私は元々HSS型HSPだと思っていたのですが、人を好きな気持ちが強いので最近はHSS型HSEかもしれないと感じ始めています。
他人に本当の自分を理解してもらうことが難しく、人との関わり方には注意が必要。人が好きな気持ちは大切にしつつ、危ない人からはそっと離れるように心がけよう。
HSPの診断方法
「自分はHSPの4種類のうち、どれに当てはまるんだろう?」
そんな風に疑問に感じている方もいらっしゃるかと思います。
HSPの4種類の診断テストは存在するのですが、個人が出しているものがほとんど。
現時点では正式なものがありません。
繊細で傷つきやすいのは共通事項として、そこから種類分けするのに重要な要素は
- 刺激探求(HSS要素)の有無
- 外向的か内向的か
の2点となります。
便宜上4つに分かれるようになっていますが、実際には
- 100%HSEとは言い切れない
- 少しHSS寄りのHSPかも
- HSS要素はあるけど、出かけるのは好きじゃない
というように綺麗に分かれるというよりもグラデーションのようになっていると考えるのが良さそう。
正式な診断テストがない中では、自分で判断する他ありません。
ぜひこれらの情報から判断してみてくださいね。
HSPの種類についての懸念点
ここまでHSPの4種類について紹介してまいりましたが、いくつか懸念事項があります。
ぜひ知っておいてほしい内容となりますので、ご確認ください。
HSEの根拠について
HSPの種類の中には、HSS(刺激探求)やHSE(外向型HSP)という概念が登場しました。
ですが、これらを提唱したのはHSP提唱者のアーロン博士ではないということに注意が必要です。
- HSP提唱者
アメリカの心理学者 エレイン・N・アーロン - HSS提唱者
アメリカの心理学者 マービン・ズッカーマン - HSE提唱者
アメリカの心理カウンセラー ジャクリーン・スティックランド
HSPのアーロン博士は有名な一方で、HSSの概念は提唱者が別の方だとを知っている人は少ないのではないでしょうか。
また、注目すべきなのがHSE提唱者は心理カウンセラーであるという点。
HSE提唱者のジャクリーン・スティックランドさんは、アーロン博士とともに活動をしている心理カウンセラー。
HSEの概念はHSPのカウンセリングをしていく中で発見されたものだと言われています。
そのため、HSEに関しては学術的な論文がほとんど出てきません。
提唱者が心理カウンセラーで学術的な研究がなされていないという点から、HSEという概念には根拠がないのでは?と疑う声も出てきています。
もともとHSEという概念が登場したのも、アーロン博士のブログ内にジャクリーン・スティックランドさんが書いた記事が掲載されたことが始まりだそう。
まだまだ研究中のHSPの分野。
これからHSEについても研究が進められ、正式な発表もされていくのかもしれません。
HSEは後天性であるということ
HSPが持つ繊細な気質や刺激を求めるHSS要素は、生まれもって持っている先天性のものだと言われています。
その一方で、HSEの外向性や社交性は後天性のものだと考えられています。
つまり、HSEやHSS型HSEは生まれたばかりの頃にはHSPまたはHSS型HSPであったが、その後とある理由で外向性を獲得してHSE、HSS型HSEに変化したということになります。
HSPがHSEに変化する理由とは、本人が自分を変えようと努力をしたというようなことではありません。
- 厳しい家庭で育ち、内向的でいさせてもらえなかった
- 両親の仲を取り持つために社交性を身につけなければならなかった
- 幼い兄弟の面倒を見るために外向的にならざる得なかった
など環境に適応するために社交性を獲得しなければならなかった、半ば強制的に身につけたスキルです。
そのため、社交性が高い一方で孤独に対しての不安や恐怖心が強いことがあります。
HSPの4種類の中でも、もっとも不安定なのがHSEやHSS型HSEだとも言えるでしょう。
私自身も両親の仲が悪く、家庭を取り持つために社交性を手に入れたように感じています。そのため、見捨てられ不安が大きく過去には恋愛依存に悩んでいた時期がありました…。
私が恋愛依存から克服した話については、元恋愛依存症の私が教える!HSPが恋愛依存症を克服する方法にてご紹介しています。
このようにHSPやHSSと違って、HSEだけが後天性だと言われていることも根拠がないと疑問視されてしまう要因となっているようです。
HSPの種類とどう向き合うべきか
以上のように根拠や信憑性が疑問視されているHSPの種類について、私たちはどのように付き合っていくべきなのでしょうか。
正直なところ、答えは人それぞれ。
学術論文で発表されている情報をもとに考えるべきだと感じる方は、その思想のもとに捉えて良いと感じます。
一方で、HSPという概念が何のために生まれてきたのかということを考えてみたいです。
もともとHSPという概念は刺激に弱く繊細で生きづらさを感じている人たちが、
- 同じように悩んでいるのは自分だけではないと知る
- 生きづらさを解消する
そのために現れたと考えています。
よって、HSEについても同様のことが言えるのではないでしょうか。
繊細で傷つきやすいけど人が好き。
孤独に不安や恐怖を感じているけど、人と関わることで傷ついてしまうことに悩んでいる。
そんな人たちが生きづらさを解消するために現れたのがHSE。
正式な学術論文がなくても、その存在意味は大きいように感じます。
HSPの種類の診断方法でもご紹介しましたが、HSPは4種類に綺麗に分かれるわけではありません。
HSS寄りのHSPだったり、実際にはグラデーションのようになっていることがほとんど。
HSPの4種類については、
- 自分の悩みを言語化すること
- 生きやすさを手に入れるためのヒントを知る
そういった方法として付き合っていくのが良いのではないかと感じています。
HSEという概念に固執するというよりは、自分の生きづらさを解消する方法としてうまく付き合っていくことが大事だということです。
HSPの4種類の特徴:まとめ
HSPの種類の違いや特徴が知りたいという方に向けて、HSPの4種類(HSP/HSS型HSP/HSE/HSS型HSP)の特徴をご紹介してまいりました。
- HSP(内向型HSP)
内向的+刺激を求めない - HSS型HSP(刺激探求型HSP)
内向的+刺激を求める - HSE(外向型HSP)
外向的+刺激を求めない - HSS型HSE(刺激探求型HSE)
外向的+刺激を求める
正式発表されている診断方法は存在しないのですが、判断基準としては
- 外向的か内向的か
…人が好きか人が苦手か。誰かといるのが好きか、一人でいるのが好きか。 - 刺激探求心があるか
…刺激的な変化を求めるか、変わらない日常を好むか。
の2点が重要なポイントとなります。
HSPには4種類あるとはいえ綺麗に4つに分かれるわけではなく、実際にはグラデーションのようになっているのが実情。
自分が生きづらさを解消するために、種類分けと向き合っていくのがよいでしょう。
みなさんも自分はこれかもしれないと思うものがありましたでしょうか。
HSPの4種類を考えながら、自分自身と上手に付き合っていきましょう!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。