近年、メディアを通じて「HSP」という言葉が広く知れ渡るようになりました。
SNSでも私のようにHSPについて発信している方も多く見かけます。
とはいえ、HSPとは何なのかまだよくわかっていない方も多いはず。
そこで今回は、HSPを提唱し始めたアーロン博士が発表している4つの特性”DOES”よりHSPの特徴を確認していきます。
- HSPとはなにか知りたい方
- 4つの特性”DOES”を知りたい方
- 自分がHSPかもしれないと感じている方
- 大切な人がHSPなのではと感じている方
この記事を通して、HSPについて正しい理解が得られると嬉しいです!
HSPとは?
「人に気を遣いすぎて疲れてしまう」
「機嫌が悪い人が周囲にいると自分のせいではないかと思ってしまう」
このような繊細な気質を持った人をHSPと言います。
HSPとはHighly Sensitive Personの略で、「繊細な気質を持った人」や「敏感な人」のことを指します。
もともとアメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士が著書『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』で提唱した概念です。
この気質は後天性のものではなく、生まれ持ったもの。
繊細な気質を持っていない人と脳の神経システムに違いがあり、神経が高ぶったり警戒しているときに分泌されるホルモンが多く出ているのだそうです。
ポイント
HSPは、生まれ持った気質であり病気ではない。
全人口の15~20%の人、約5人に1人がHSPであると推測されており、決して少ない数字ではありません。
近年では武田友紀さんの『「繊細さん」の本』がヒットしたことでメディアなどにも取り上げられるようになり、さらに広く知られるようになりました。
HSPの4つの特性
HSPの提唱者であるアーロン博士は著書の中でHSPの4つの特性”DOES”を提唱しています。
- Depth of processing
物事を深く考える - Overstimulation
過剰に刺激を受けやすい - Empathy and emotional responsiveness
共感力が高い - Sensitivity to subtleties
些細なことに気づきやすい
この4つの特性にすべて当てはまる人がHSPであり、1つでも欠ける場合にはHSPではないただ内向的な性格の人であるとしています。
DOESについて確認しながら、HSPの特徴を見ていきましょう。
4つの特性”DOES”の解説には、私の考えも含まれています。
アーロン博士はアメリカの心理学者です。論文も英語で書かれているため、私なりに訳した上で内容をご紹介しています。よって、DOESの解説には私の考えも含まれていることをご承知おきください。
Depth of processing:物事を深く考える
まず、HSPには物事を深く考えるという特性があります。
深く物事を考察したり味わったりことが好きだったり、よく物事を考えてから行動に移すタイプだったりします。
物事を深く考える例
- 自分が興味のあるものについて深く考えたり調べたりすることが好き
- 哲学が好き
- よく考えて計画を立ててから行動に移す
- 失敗を想定して万全に準備をする
私は映画を見た後に解説を読んだり、自分の生活に置き換えて考えてみたりしてしまいます。これも深く考えるということなのかも?
Overstimulation:過剰に刺激を受けやすい
刺激に対して過剰に反応してしまいやすいという特徴。
こちらはHSPの特徴としてはとても有名だと思います。
五感に対する刺激もそうですが、他人の表情や態度も刺激となります。
また、自分自身の悩みや痛み、空腹感でさえも刺激となります。
過剰に刺激を受けやすい例
- 光や音の刺激に弱い
- 人混みが苦手
- 自分の痛みに気が付きやすく常にどこかが痛い
- ちょっと冷たい対応をされると相手を怒らせてしまったのではと気になる
- 人から言われた言葉を気にしてしまいがち
Empathy and emotional responsiveness :共感力が高い
共感力の高さや感受性の強さについては、HSPの長所としても紹介されることが多いです。
一方で、自分自身が生きずらいと感じる原因となることもあります。
感受性の高さとはうまく付き合っていく必要がありそうです。
共感力が高い例
- 相手の立場になって物事が考えられる
- 戦争や殺人事件など悲しいニュースを見ると辛い気持ちを引きずる
- 人の気持ちを察することができる
- 感受性が豊かで映画など作品に入り込みやすい
- 周囲の感情が移りやすい
HSPの感受性の強さに関しては、下記の【HSPの感受性の強さ】周囲の影響を受けすぎないために気をつけることでも紹介しています。
Sensitivity to subtleties:些細なことに気づきやすい
些細なことに気が付きやすいことも、HSPの特徴として挙げられます。
繊細ではない人には気が付かないようなことにもHSPは気が付きます。
些細なことに気が付いてしまうが故に辛い思いをしてしまうこともあれば、気が付くことによって得られる幸せもあります。
些細なことに気づきやすい例
- 他人の顔色の変化に気が付きやすい
- 植物の変化に敏感
- 季節の変化に気が付きやすい
- いつもと違うことが気になって集中できないときがある
些細なことに気が付くという特性を生かして、料理やカメラ、植物を育てることを趣味にしている方もいらっしゃいます。
HSP診断
アーロン博士が提唱する4つの特性”DOES”を確認して、自分がHSPであるのか確認してみたいと思った方。
以下のアーロン博士のホームページ内のセルフテストがありますので、一度お試しください。
私は20個該当しました。
HSPの種類
HSPといっても全員がまったく同じ考え方や気質を持っているわけではありません。
HSPには思考や行動パターンによって2種類に分けられると言われています。
HSPの種類
- HSP
内向的な性格。刺激や変化をあまり求めない。 - HSS型HSP
外向的な性格で刺激を求める。その一方で、繊細で傷つきやすい。
HSPの種類については、まだ明確な定義がありません。
実はHSPの種類の定義はまだハッキリと定められておらず、人によって微妙に異なる考え方を持っていることがあります。特にHSS型HSPの解釈については、私とは異なる方もいらっしゃいます。今回私は、時田ひさ子さんの『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』を参考にしてご紹介しています。
HSP
HSP
- 内向的な性格。刺激や変化をあまり求めない。
HSPはみなさんが想像しやすい、内向的で繊細な気質を持つ人のこと。
刺激や変化をあまり求めないという特徴があります。
HSPの約7割がこれに当たると言われています。
HSS型HSP
HSS型HSP
外向的な性格で刺激を求めるタイプ。その一方で、繊細でとても傷つきやすい一面を持つ。
HSS型HSPとは、繊細でありながら外向的で刺激を求める気質を持つHSP。
その矛盾故に多くの苦労を持っています。
HSPの中の30%しかおらず、全人口の約6%しか存在しないと言われています。
HSS型HSPについては、【HSS型HSPの特徴】HSS型HSPとは?刺激を求める繊細さんの7つの特徴にて詳しくご紹介しています。
HSPとHSS型HSPの違いについて知りたい方には、【繊細カップルから見る】HSPとHSS型HSPの違いもおすすめです。
私たち繊細カップルの生活から、HSPとHSS型HSPの明確な違いがわかるかと思います!
【HSPとは?】”DOES”から見るHSPの4つの特性:まとめ
HSP(Highly Sensitive Person)とは、「繊細な気質を持った人」、「敏感な人」のこと。
HSPの4つの特性”DOES”
- Depth of processing
物事を深く考える - Overstimulation
過剰に刺激を受けやすい - Empathy and emotional responsiveness
共感力が高い - Sensitivity to subtleties
些細なことに気づきやすい
HSPについては現在も研究が進められている最中であり、明確な定義が無かったりする部分が多いです。
そのため、様々な解釈をしている人が多くいらっしゃいます。
HSPを提唱したアーロン博士は、4つの特性である”DOES”が揃っていないとHSPではないと言いました。
ですが、実際にはそうとも言えないと思っています。
『「繊細さん」の本』の著者である武田友紀さんも、4つの特性のうちいずれかが強い場合にもHSPであるとしています。
このようにHSPかどうかの判断でさえ、人により異なっており曖昧なままなのです。
私自身はHSPについて、自分の生きづらさと向き合うためのものだと思っています。
そのため、自分がHSPであるかどうかが大切なのではなく、自分の生きづらさを解消できるようになることが重要だと感じています。
HSPだという自覚がある人も、HSPではないという方も自分の生きづらさを解消し自分らしく生きていける社会になったら素敵だと思っています。
私のHSPについての考えは、【本当のHSPとは】あなたはどう思う?ファッション化するHSPの記事でもご紹介しています。
こちらもよろしければご覧ください。
HSPについては、これからも私の考え方や経験を発信をしていく予定です。
よかったらこれからもよろしくお願いします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。