『繊細さんの本』とても素敵だったな~。もっとHSPについて勉強したいな!
自分の繊細な気質と向き合うのにおすすめの本ってないかな?
発行直後から話題となり、HSPを広めるきっかけとなった『繊細さんの本』。
『繊細さんの本』をきっかけに、
「もっとHSPについて知りたい」
「自分自身の気質に向き合いたい!」
そう感じた方も少なくないのでは?
そこで今回は、繊細な自分と向き合いたいHSPにおすすめの本『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』をご紹介します。
みみこ
- HSS型HSP×HSPの繊細カップル
- 付き合い歴5年。現在同棲中
- 境遇を活かして、HSPについて考察した内容を発信中
「自分はHSPかもしれない」
「繊細さんってどんな人だろう?」
そういった疑問を持つ人に、『繊細さんの本』はHSPを知るきっかけとして機能しました。
それに対して、今回ご紹介する『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』はより実践的な内容。
『繊細さんの本』でHSPについて知った方が、さらに深くHSPについて知るにはとっておきの本です。
また、『繊細さんの本』がHSPが実生活を生きやすくするテクニックを紹介しているのに対し、『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』はHSPが自分と向き合うことがメインの内容となっています。
HSPの対処法ではなく、根本的な部分を解決したいという方にはとてもおすすめです!
私がこのように感じた理由を1つずつお話してまいります。
自分と向き合うことができ、前を向く勇気をくれる一冊。
一人でも多くのHSPさんに読んでみてほしいです!
HSPとは
HSPとは、繊細な気質を持った人のこと。
HSP(Highly Sensitive Person)
「繊細な気質を持った人」や「敏感な人」のこと
例えば、
自分がHSPかもしれないと感じている方は、まずはアーロン博士が提唱するHSP診断をしてみることをおすすめします。
さらに詳しくHSPについて知りたい方は、【HSPとは?】”DOES”から見るHSPの4つの特性をご覧ください。
『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』について
そんなHSPさん本人や、身近な人がHSPという方に向けて書かれた『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』。
まずはこの本の基本情報から、ご紹介していきます。
『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』
著者:イルセ・サン
翻訳:枇谷玲子
発行年:2016年10月15日
定価:1500円+税
ページ数:230ページ
巻頭に「HSP自己診断テスト」、巻末に「HSPのためのアイデアリスト」が掲載されている
『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』は、デンマークのイルセ・サンさんによって書かれました。
イルセ・サン
デンマークの牧師、心理療法士。自身もHSPであり、現在は心理療法の講演者、セラピストとしても活躍。
イルセ・サンさんは牧師や心理療法士としてHSPと対話してきた経験から、
この2つがHSPに有効であると感じたそうです。
それがきっかけで『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』を執筆することになりました。
このようにして、HSPの人たちが自身の繊細さを受け入れ、自身を取り戻し、ありのままの自分でいる勇気を持つのを、何度も目にしてきました。同じようにこの本によって、HSPの皆さんを勇気づけることができれば、これほど嬉しいことはありません。
イルセ・サン『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』
イルセ・サンさんは、本書の中で「敏感な人の多くは自己肯定感が低い」とお話しています。
ですが、HSPの自己肯定感が低くなるのにも無理はありません。
なぜなら、敏感な人は自分とはまったく異なる行動が評価される文化で生きてきたから。
たしかに・・・。自分の内向的な行動を褒められたことはないな・・・。
HSPはつい欠点に目が向いてしまいやすいですが、本当は有利な点も多くあります。
以上のことから、この本では
を目標としています。
『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』の魅力
HSPが自分の長所に気が付き、ありのままの自分でいる勇気を持つことを目標としている『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』。
ここからは私が感じた『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』の魅力についてお話していきます。
HSPが抱える問題の原因に着目
冒頭でお話したように、『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』はHSPの生きづらさと向き合うのにおすすめ。
『繊細さんの本』をHSPが生きづらさを緩和するためのテクニックを教えてくれるものとするならば、この本は生きづらさの原因に迫る内容。
生きづらさを緩和させる方法ではなく、HSPが生きづらさを感じるようになった原因に着目し、根本から見つめなおすことができます。
自分自身に高度な要求をしてしまう
私が特に「なるほど」と感じたのは、HSPが自分自身に高度な要求をしてしまうというお話。
HSPはついつい自分に対して高い要求をしてしまいがち。
その高い要求には、
などが挙げられます。
私はその中でも、「自尊心が低いからこそ優秀でいようとする」「頑張らないと愛されないと思っている」という項目が気になりました。
私はもともと、自分のことを頑張らないと愛されないとは思っていないと感じていました。
ですが、改めて考えてみるとやっぱり私にはそんなところがあるように感じてきました。
例えば、私は小さい時から周囲の大人に褒められることが多かったです。
それは別に運動ができるわけでも、勉強ができるからでもありません。
聞き分けがよく、ただ愛想よくしていたというだけ。
そのため、大人になった今でも 「いい子」として振舞うのが当たり前になっています。
ですが、もし私がいい子でいなければ大人たちが自分を可愛がってくれることはなかったと思います。
私がいま交友関係をもっている人たちもいい子でいたからこそできた関係性であって、私がいい子を演じなければみんな離れていってしまうんじゃないかと思ってしまいます。
自分は頑張らなくてもありのままで周囲に愛してもらえる存在だ、という自信がないのです。
やたらといい子を演じてしまうのは、あまり望ましくない家庭環境で育った子どもにはよくあることだそう。
両親に迷惑をかけないため、もしくは振り向いてもらえるように、とにかくいい子を演じてしまうのだとか。
小さい頃から両親が喧嘩ばかりしていた私は、無意識のうちにいい子を演じるようになっていたのかもしれないと感じました。
また、恋愛に対しても同じです。
実は私は恋愛に対して、周囲が驚くほど積極的なところがあります。
好きな人ができればすぐに猛烈にアタック。
ダメならひどく落ち込むけど、またすぐ次に切り替える。
そんな私のことを周囲の人は、
みみこは自分に自信があっていいよね
と言っていました。
ですが、私自身はまったくその言葉にピンときていませんでした。
なぜなら、私が恋愛に積極的になるのは逆に自分に自信がないから。
普通にしていても好きな人が自分のことを好きになってくれるわけがないとわかっていたから、積極的にアプローチしていたのです。
頑張らないと誰も私を見てくれない。
「いい子」でいないと誰にも相手にしてもらえない。
私の頑張りすぎるところや理想が高すぎるところは、まさに自分に自信がないことから来ていたのです。
そんな私に対して、『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』は以下のような提案をしてくれました。
「人を嫌ってはいけない」
「誰にでも愛想よく振舞わなければならない」
など、HSPは無意識的に自分にさまざまなルールを課していることが多いです。
ですが、それらのルールは過去に自分が生きていく中で自ら選択した、もしくは他人に強要されたルール。
必ずしも今も必要なルールであると言えません。
意図的に自分のルールや日々の努力を怠ってみましょう。
そうすると、きっと現実は自分が想像したような悲惨な状態にはなります。
ですが、このような自分の課す高い基準を満たせなかったという経験が完璧主義を弱めてくれるのだそうです。
また、自分が日々の努力を怠ったとしても現状の人間関係が変わらないことも感じられます。
大半の人がありのままの自分を好きでいてくれることを実感できるのです。
私はこの章を読んでから、自分に課しているルールについて改めて考えました。
すぐには難しいけれど、少しずつ自分のルールを破っていきながら、ありのままの自分に自信を持てるようになりたいです。
「HSPは完璧主義をやめよう!」なんて言われても、「じゃあどうやって?」ってなるよね。この本では、具体的な方法まで寄り添って提案してくれるので、これから自分はどうしたら良いのかが明確にわかります。
心理療法士の視点からのアプローチ
著者が心理療法士ということもあり、HSPの特徴について具体的な心理実験を提示しながら紹介しています。
HSPについてはまだ研究が始まったばかりということもあり、
「その根拠は何なの?」
と思えるようなこともたくさんあると思います。
『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』では、そんな根拠が気になる人でも納得できる内容になっています。
また、先程もお話したように、心理療法士の視点から生きづらさの根本を解決するための具体的な行動を提示してくれます。
目の前でイルセ・サンさんがいて話を聞いてくれるような、セルフカウンセリングができる一冊。
この一冊を読み終えた頃には、自分と向き合って前に進む勇気が得られるのではないでしょうか。
実際にカウンセリングを受けた人の言葉に共感できる
本書の中では、著者の言葉だけでなくイルセ・サンさんのカウンセリングを受けた方の言葉がたびたび登場します。
デンマーク在住の方のため生活様式の違いは感じられますが、その言葉の1つ1つにとても共感して「わかる~」と唸ってしまいます。
これはイルセ・サンさんの考えるHSPに有効なものの1つ、「HSP同士がお互いの知識や経験を共有すること」から来ているように感じます。
私もこの考え方に賛成で、過去にTwitterを利用してHSPが経験を共有できる機会を作りました。
この呼びかけに6名のHSPブロガーさんが賛同いただき、こちらの記事【HSPあるある】HSPブロガーに聞いた「自分って繊細だな」と感じたエピソードを作成できました。
実はものすごく好評で、現在も多くの方が読んでくださっています。
『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』同様に、とても共感できるエピソードばかりです。
よろしかったら覗いてみてくださいね。
『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』の感想:まとめ
『繊細さんの本』をきっかけに「もっとHSPについて学びたい!」「HSPの自分に向き合いたい!」と感じている人に、『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』を紹介してまいりました。
『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』 は著者のイルセ・サンさんが、
を目標として執筆した本。
私が感じた魅力は、
の3点でした。
やはり一番の魅力が、HSPの抱える生きづらさの根本的な原因に寄り添ってくれること。
私も本書を読んで、自分の課題に気が付かされました。
すぐには難しいと思うけれど、自分のルールを破っていきながら少しずつ自信が持てるように頑張っていきたいです。
この本は逃げずに自分に向き合って、前に進みたいと感じているHSPにおすすめ。
つらい過去を思い出すかもしれないし、不安な気持ちになることもあるかもしれせん。
ですが、その過程がきっと私たちを生きづらさから解放させてくれるはずです。
『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』で、自分をセルフカウンセリングしてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。