
どうしたら私はこんな辛い思いをしなくて済んだの?

HSPに原因ってあるの?やっぱり家庭環境とか?
繊細な気質を持っているが故に、生きづらさを感じやすいHSP。
なにかトラブルが生じるたびに、「どうして自分はこんな辛い思いをしなければならないんだろう」と考えてしまいませんか?
このようにHSPの原因が何だったのか気になる方は、多いのではないでしょうか。
そこで今回、HSPの原因と親を責め続けた私が出した結論についてお話させていただきます。
- HSPの原因が知りたい方
- 自分の育った環境を恨んでしまっている方
- 親を責める気持ちとの折り合いの付け方が知りたい方
- HSPの親との付き合い方が知りたい方

私もかつて同じように思っていました。
「どうして私はみんなのように気にせず生きていけないの?」
「なにが私をこんな風にさせたの?」
そこで、思い当たったのは家庭環境でした。
幼少期、怒鳴り合いの喧嘩ばかりしていた両親。
母親をかばわなかったことを責められたり、父親の悪口を言うように強要された過去。
そんな経験が私をこんな風にさせた。
そんな経験がなければ、もっと私は自信をもって輝いていたはず。
そうやって私は10年もの間、心の中で親を責めてきました。
しかし、HSPという概念に出会ったとき、それが大きな勘違いだったことを知るのでした。

大切なのはHSPの原因ではなく、自分は何を求めるのかでした。私が悩み続けた10年間の苦悩がみなさまのお役に立てば幸いです
HSPの原因

HSPとは、刺激に敏感で繊細な気質を持った人のこと。
HSP(Highly Sensitive Person)
「繊細な気質を持った人」や「敏感な人」のこと
特徴としては、
- 物事を深く考えたり、深く味わう
- 刺激に対して敏感
- 共感力が高く、人の気持ちを察する
- 変化に気が付きやすい
などが挙げられます。
HSPの中には人混みが苦手が多いですが、それだけではHSPであるとは言い切れません。
自分がHSPかもしれないと感じる方は、まずはアーロン博士が提唱するHSP診断をしてみることをおすすめします。
そんなHSPは、繊細な気質によって人間関係のトラブルを抱えやすいです。
- 他人の言動に傷ついてしまう
- 相手に合わせて自分が出せなくなる
- 他人から都合が良いように利用されてしまう
- 他人を優先して自分を後回しにして我慢してしまう
- 理解者が得られず孤独を感じやすい
- いじめのターゲットにされやすい
そんなトラブルと出くわすたびに、

どうして私ばっかりこんな思いしなくちゃいけないの?
と、悩んでしまうのではないでしょうか。
では、HSPの原因とは一体何なのでしょうか。やはり育ってきた環境なのでしょうか?
答えは、生まれ持った気質です。
HSPは繊細な気質を生まれもった人のことであり、病気ではありません。
全人口の5人に1人がHSPだと言われており、しかも繊細な気質をもつのは人間だけでなく、動物にも存在すると言われています。
このような繊細な気質が現れるのは、脳の「扁桃体」に関係があります。
扁桃体
怒り、恐れ、喜び、悲しみなど感情をコントロールする脳の一部。
不安や恐怖などの危険を察知した時、それを回避させようとする。
HSPは扁桃体の働きが生まれつき強いために、繊細な気質を持つようになると言われています。
このように、HSPに後天的な原因はないのです。
その一方で、人の性格や考え方は育った環境や経験による影響を受けると言われています。
そのため、HSPそのものの原因とはなりませんが、内向的な性格となる要因には環境や経験が関係あると言えそうです。
親を責め続けた私の結論

HSPが生まれもったものと知ったとき、私は愕然としました。
私が繊細なのは、育った環境のせいじゃなかった。
他人の目が怖いのは、喧嘩ばかりしていた両親のせいじゃなかった。
じゃあ私が悩み、親を責め続けた10年はなんだったのか。
先ほどお話したように、HSPの原因ではないが内向的な性格の原因として、育った環境や経験は関係があります。
私にはまだ、自分の内向的な性格を親のせいにする選択肢も残されていたのです。
でも、それは選ぶのはやめました。
なぜなら、本当に自分が望んでいることは何なのか気が付いたからです。
私が欲しいのは親を恨む気持ちでもなく、自分の繊細さを嘆くことでもありません。
私が本当に欲しいのは、温かい家庭でした。
家族を心から愛して、無条件に家族から愛されているという安心感。
私はこれからそんな温かい家庭を作りたい。
そう思ったときに、このままいつまでも親を責めていても私は幸せになれないんだと気が付きました。
実際に私の生きづらさは生まれもったものなのか、育った環境のせいなのかわかりません。
ですが、
私は自分の繊細さは生まれもったものとして生きていく。
本当の幸せを手に入れるために、親のせいにするのはもうやめる。
そう心に決めたのでした。
HSPの親との付き合い方

私は自分の内向的な性格は、親や育った環境のせいではないと考えることにしました。
ですが、それが正解というわけではありません。
かつての私と同じように、自分の繊細さは先天的なものではないと考える人もいると思います。
それはそれで良いと思います。
大切なのは、本当の自分は何を望むのかということ。
私は家族と関係を再構築すること、自分の内向的な部分と向き合うことを選びました。
とはいえ、HSPが親とよい関係を築いていくには注意が必要だと感じています。
ここからは、私が親とよい関係を築いていく上で注意したいことをご紹介していきます。
境界線を意識する
まずおすすめしたいのが、境界線を意識すること。
相手の気持ちを理解し寄り添ったりできるのは、HSPの素敵な長所。
みなさんも誰かの相談相手になっているということも多いのではないかと思います。
ですが、誰かの相談を聞く際に注意してほしいのが、相手のエネルギーを感じ取りすぎないようにすること。

相手の愚痴を聞いていたら、疲れ切ってしまったっていう経験はありますよね。
HSPは共感力が高すぎるがゆえに、相手の感情やエネルギーをキャッチしてしまいやすいです。
特に相手が親の場合はなおさらです。
私は自分の親から愚痴を話されると、
- 親の意見に間違ってるって思うけど、言ったら不機嫌になっちゃうかな?
- 疲れるな…
- 早く終わってくれないかな
- 親の愚痴も聞いてあげられない私ってひどい人なのかな
と、いう気持ちになってしまいます。
そんな気持ちにならないように、自分と親との境界線を意識しましょう。
具体的には、
- 話してる親と自分の間にアクリル板をイメージする
- さりげなく話している距離を離す
- 親と自分の間に物を置いて境界線を作る
などが有効です。

そんな方法で効果があるの?
そう思う方もいらっしゃるかもしれませんが、こんな簡単なことでもちゃんと心がラクになります。
ぜひやってみてくださいね。
心の距離を近づけすぎない
心の距離を近づけすぎないということも重要です。
人間関係には、適切な心の距離が存在します。
心の距離が遠すぎると寂しい気持ちになるし、近すぎると喧嘩になってしまう。
人間関係のトラブルが発生するのは、決まって適切な心の距離が崩壊したときなのです。
親子は、人間関係の中でも特別な存在。
自分の価値観を子どもに押し付けてしまったり、子どもからしたら親の言う通りにしないといけないと感じてしまったり。
親子であっても他人であることを忘れやすく、どうしても心の距離が崩壊しやすいです。
適切な距離感は人によって異なります。
親と喧嘩ばかりしてしまうという方は、親との正しい距離感を確かめてみてはいかがでしょうか。

私もかつて親との距離感がわからず、一時期ものすごく仲が悪くなってしまったことがあります。ですが、今では適切な距離で接することでお互いを大切に思うことができるようになりました。
自分を優先する
HSPが親との関係をこじらせないために重要なのが、自分を優先すること。
先ほどの話にも出てきたように、親子関係では自分と他人の境界線が曖昧になりがちです。
その上、HSPは相手の気持ちを察することができるために、親の気持ちを汲み取りやすく、親が口に出していないことまで察して行動してしまうことがあります。
そのように親の言いなりになってしまうと、その時は一時的にいいかもしれませんがいつか爆発する日が来ます。
積もり積もったものが爆発したとき、関係の修復が難しいほど状況が悪化することが考えられます。
また、いつか「親のせいで私は何もしたいことができなかった」と親を恨む日が来てしまう可能性もあります。
その時に親がご健在なら関係修復ができても、もういない場合には一生その恨みを背負って生きていくことになります。
それは決して幸せな状態とは言えないのではないでしょうか。
そんなことにならないために、普段から自分を優先するように心がけましょう。

そうは言っても、お母さんが可哀そう…。
その気持ちもとってもわかります。
ですが、お母さんが一番望んでいないのは、あなたとの関係悪化ではないでしょうか。
自分の子どもに不幸になってほしいと望んでいる親は少ないです。
自分のためではなく親のためだと思って、自分優先ができるようになりましょう。
親ではなく一人の人間として接する
さまざまな人間関係があるなかで、親子関係は特別なもの。
良心的な方が多いHSPは、「自分を生んで、育ててくれた親を傷つけてはいけない」と考えている人が多いように感じます。
ですが、人間関係を「自分」と「他人」でざっくりと分ければ、親はもちろん「他人」に含まれます。
親のことを親として見すぎるのではなく、親とはいえ「他人」であるという視点を忘れてはいけません。
私はかつて親に対して、
「親なんだから○○して当然」
「そんな考え方をするなんて親として失格」
そんな風に思っていました。
親が私のことを自分の化身のように見ていたのと同じように、私自身も親に完璧な親像を押し付けていたのです。
ですが、親を親としてではなく一人の人間として見るようになってから、親の完璧じゃない部分を認められるようになりました。
他人なのだから考え方に違いがあって当然。
それに、親とはいえ他人なのだから考え方に従う必要もないのです。
もちろん、困っているときには助けてあげるべきですが、自分を犠牲にまでする必要はありません。
親の行動に悩んでいるのなら、離れるのも間違っていません。
自分のことを薄情な人だと思う必要もありません。
親の人生と自分の人生は別物です。
自分の人生を生きましょう。
HSPの原因とは?親を責め続けた私の結論:まとめ
「HSPの原因は親にあるのではないか」と感じている方に向けて、HSPの原因と私の実体験をお話しました。
HSPは生まれ持った気質であり、原因というものはありません。
ですが、HSPそのものではなく内向的な性格になる要因として、家庭環境や経験が影響している可能性はあります。
大切なのは、原因を突き止めることではなく自分が何を望むのか。
私は温かい家庭を求めて、親との関係を再構築することを選びました。
そう決断してからもいろいろなことがありました。
ですが、そのなかで親との良好な関係を築いていくためには、
- 境界線を意識する
- 近づきすぎない
- 自分を優先する
- 親ではなく一人の人間として接する
の4つが必要だと感じました。
もちろん、私のように親と和解するのが正解とは限りません。
自分が本当は何を望んでいるのか、改めて考えてみてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
