HSPという言葉が広く知れ渡り、刺激が苦手であったり傷つきやすい自分をHSPではないのかと感じる人も増えてきました。
そこでよく疑問として挙がるのが、HSPの治し方。
HSPを治すためにはどうしたら良いのか悩んでいる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、HSPの治し方とそもそもHSPは病気なのかという点についてご紹介していきます。
- HSPを治したいと思っている方
- HSPがどういうものなのか知りたい方
- 身近な人がHSPではないかと思い心配している方
私もかつてHSPはどうしたら治るのかたくさん調べていました。今回の記事で、正しい自分への向き合い方を知っていただけると嬉しいです!
HSPとは
HSPとは、繊細な気質を持った人のこと。
HSP(Highly Sensitive Person)
「繊細な気質を持った人」や「敏感な人」のこと
特徴としては、
- 物事を深く考えたり、深く味わう
- 刺激に対して敏感
- 共感力が高く、人の気持ちを察する
- 変化に気が付きやすい
などが挙げられます。
自分がHSPかもしれないと感じている方は、まずはアーロン博士が提唱するHSP診断をしてみることをおすすめします。
さらに詳しくHSPについて知りたい方は、【HSPとは?】”DOES”から見るHSPの4つの特性をご覧ください。
HSPは病気ではない
「HSP気質を治したい!」
「他の人たちみたいに気にしない人になるにはどうしたらいい?」
このようにHSPを治したいと思っている方は大勢いるのではないでしょうか。
ですが、残念ながらHSPを治すことはできません。
なぜなら、HSPは病気ではないからです。
先ほどご説明したように、HSPの持つ繊細な気質は生まれ持ったもの。
うつ病のような後天的なものではないので治すことはできないのです。
HSPは生まれつき脳にある危険を察知するための部分「扁桃体」が発達しており、不安を感じやすいのだと言われています。
そのため、HSPが不安を感じやすいのも仕方がないことなのです。
HSPの繊細さは病気ではなく、生まれ持った気質であると正しく理解することが重要です。
HSPを治そうとすることは危険
では、自分がHSPであることを認めなかったり、HSPを無理やり治そうとするとどんなことが起きるのでしょうか。
実はHSPという概念に出会う前、私はまさに自分の繊細な気質を治そうと躍起になっていました。
その結果、自分の生きづらさを克服するどころがたくさん辛い思いをしてきました。
私が当時感じていたことをご紹介していきます。
周りに合わせてばかりで自分がわからなくなる
繊細な気質を無視して周りに合わせようとすると、自分がわからなくなります。
私は自分の気にしすぎてしまう性格が嫌いで、周りに合わせて傷つかない人になろうとしていました。
友達に傷つくことを言われても傷つかないふりをして、「こんなことを気にしてしまう私がおかしい」と自分を否定。
それを続けてきた結果、本当の自分がわからなくなり自分も周囲もすべてが嫌になってしまっていました。
無理に繊細な気質を抑え込もうとすると、本当の自分となりたい自分の乖離が起きます。
周りにも本当の自分を出すことができなくなり、さらに辛い気持ちになるので注意してください。
心を許せる友人ができず孤独になる
無理にHSPを治そうと嘘の自分を演じていると本当の友達ができません。
自分と考え方が違う人ばかりが集まってしまって、気の許せる友達ができにくくなります。
それどころかあなたを利用しようとしてくる人まで寄ってきてしまうことも。
本当の自分を誰にも出すことのできない、真の孤独を味わう可能性があります。
自己肯定感が低くなる
繊細な人が気にしない人になろうとしても、心から繊細さを失うことはできません。
何かある度に「どうして自分はみんなのようになれないんだ」と自分を責めてしまいます。
そうしているうちにどんどん自分のことを嫌いになってしまいます。
理想になれない自分が許せず自己肯定感がどんどん低くなっていきます。
何のために生きているのかわからなくなる
HSPが繊細な感覚を封じ込めようとすると、人生の喜びを失ってしまいます。
私は会社で心無い人からの言葉に傷つくことが嫌になり、すべての感覚を封じ込めようとしたことがあります。
自分はロボットで感情はないのだと思い込み、心を殺して過ごしていました。
ですが、それを続けていたことで、これまで自分を支えていてくれていた優しさや温かさも感じ取れなくなってしまいました。
悲しみもなければ喜びもない世界。
それは想像以上に辛いもので、自分が何のために生きているのかわからなくなってしまいました。
繊細な感覚でキャッチする刺激は悪いものだけではありません。
心から幸せに感じる刺激、心が温かくなるようなできごとを深く味わえるのはHSPの長所。
そのような良い刺激までシャットアウトしてしまうのは、自分の存在価値を見失うことに繋がります。
体調不良を起こす
無理に自分の感覚を押し殺し続けると、体調を崩す恐れがあります。
ストレスによる頭痛、肩こり、胃の不調など身体的なものから、うつ病など精神的な病気を起こす可能性もあります。
HSPを無理に治そうとすることは、自身の身体や心にとてもストレスがかかることであると覚えておいてください。
HSPとうつ病は違います。
HSPは生まれ持った繊細な気質を持つ人のことであり、後天的に発症するうつ病とは違います。ですが、HSPが生きづらさを感じることでうつ病を発症することは多々あります。HSP=うつ病ではなく、HSPがきっかけでうつ病を発症することがあることを確認しておきましょう。
病院に行くべきか迷っているHSPは、HSPは病院に行くべき?迷っている人が知っておくべき3つのことを参考にしてみてください。
HSPとの上手な向き合い方
では、HSPの自分とどのように向き合っていったら良いのでしょうか。
私は下記の3つが必要だと感じています。
これらを意識することで、HSPを治すことはできなくてもHSPの抱える生きにくさを緩和することができます。
HSPとの向き合い方
- ありのままの自分を受け入れる
- 自分らしさを追求する
- 無理をしない生き方を選ぶ
ありのままの自分を受け入れる
まず、ありのままの自分を受け入れる必要があります。
気にしすぎてしまう自分、周りに気を遣いすぎて疲れてしまう自分、すべてをひっくるめて等身大の自分をまず認めましょう。
自分の繊細さを治そうとするのではなく、生まれ持ったものとしてうまく付き合っていくことを目指します。
また、繊細な性格は悪いことばかりではありません。
繊細な自分の良いところも一緒に見つけてあげましょう。
【HSPの長所】繊細さんにしか見えない世界を生きる。繊細な自分を好きになる方法。も参考にしてみてくださいね。
自分らしさを追求する
自分の繊細さを受け入れることができたら、次に自分らしさの追求をしてみてください。
HSPは自分よりも他人を優先にしてしまいやすいです。
自分のやりたいことや気持ちを差し置いて、他人の目を気にして無理をしてしまうことも多いのではないでしょうか。
「本当の自分はどうしたい?」と自問することで、他人ではなく自分がどう思うのかに注目してみましょう。
自分らしさを手に入れられると、生きにくさはかなり軽減させることができると思います。
無理をしない生き方を選ぶ
HSPはさまざまな刺激をキャッチしてしまいます。
そのため、HSPではない人に比べて処理する情報が多く、疲れてしまいやすいです。
そんな自分を認め、無理をしない選択をすることをおすすめします。
疲れた時は休んで良いし、行きたくない誘いには行かなくて良いのです。
また、就活や転職などの仕事選びの際には「やりたいことの優先」ではなく「自分の気質に合った環境」を優先したって良いのです。
HSPはやたらと自分に厳しくしてしまいがち。
もう少し自分に優しくするように心がけてみましょう。
【HSPは病気なの?】繊細な自分をなんとかしたい!HSPの治し方とは?まとめ
HSPとの上手な向き合い方
- ありのままの自分を受け入れる
- 自分らしさを追求する
- 無理をしない生き方を選ぶ
HSPは病気ではなく、治すものではないとお分かりいただけましたでしょうか。
自分がHSPではないかと感じた方も焦る必要はまったくありません。
自分の生きにくさが緩和されるように、正しい方法でHSP気質と向き合ってみましょう。
学生時代、自分がHSPであることも知らずに無理に自分を偽ったときは辛い日々でした。
どうかみなさまには私と同じような経験はしてほしくないなと思っています。
みなさんが自分らしく生きられるようになりますように!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。