こんにちは、みみこです。
私は最近『凪のお暇』という漫画にハマっています。
読み進めていく中で、この作品はHSPにおすすめできる漫画なんじゃないかと感じました。
そこで今日は、『凪のお暇』をHSPにおすすめしたい理由についてお話しようと思います。
HSPの方で自分の心情に共感できる漫画を探している方、自分のことをHSPかもしれないと思っている方にぜひ読んでいただきたいです!
『凪のお暇』とは?
まず、『凪のお暇』という作品についてご紹介します。
『凪のお暇』は漫画雑誌『Eleganceイブ』にて掲載されているコナリミサト先生の作品です。
2019年にはTBS系列にて主演黒木華さんでテレビドラマ化もしました。
当時、高橋一生さんと中村倫也さんのキュンキュンシーンが話題となりましたね。
あらすじは、以下の通り。
大手企業に勤める28歳OLの大島凪はOLの、会社で空気を読んでばかり。
同僚に仕事を押し付けられたり、同僚のミスを自分のせいだと思われて叱られてしまったり、ランチではマウンティングの餌食にされる。
そんな彼女の「なんだかなぁ」な生活の唯一の誇れること、それが営業部エースの我聞慎二と付き合っていること。
彼と結婚し、「なんだかなぁ」な日々から脱出するのを夢見ていた。
しかし、押し付けられた仕事の残業中に慎二が同僚に彼女と結婚する気はないこと、けち臭い女は生理的に無理だと話しているところに遭遇してしまいます。
それがきっかけで凪は会社で過呼吸を起こしてしまい、退職を決意。
SNSや携帯を解約、家具家電も一切捨てて、都心から郊外へ移住。
自分を見つめなおす、お暇をとることにしたのです。
彼女はこのお暇で変わることができるのか!
簡単に言うと、凪の自分探しの物語。
1つ注意しておきたいのは、『凪のお暇』はHSPの漫画とは公言していません。
ですので、具体的なHSPの日々の生活を生きやすくするようなテクニックとか、体験談が描かれているわけではありませんのでご注意ください。
あくまで私がHSPとして共感できたり、すごく心が動かされる要素があると感じたため、紹介させていただいています。
『凪のお暇』1巻は、こちらから試し読みができます。
ぜひ読んでみてください!
HSPにおすすめしたい理由
私が『凪のお暇』をHSPにおすすめしたい理由は、下記の通りです。
①凪に共感できるから
②登場人物に悪者がいないから
③人間描写がとてもリアルだから
④比喩表現が散りばめられているから
凪に共感できるから
HSPが凪に共感できるポイントがは、5つあると思います。
①空気を読んでしまうこと
②感受性が豊かなところ
③良心的であること
④自分の過去と戦っていること
⑤母親との関係性
空気を読んでしまうこと
OL時代の凪は、同僚に仕事を押し付けられたり、上司にミスを自分のせいにされて叱られたりと冴えない生活を送っていました。
お弁当を持参していても同僚に誘われればランチに一緒に付いて行きますし、同僚から散々マウンティングを受けて最終的に「そんなんだから大島さんはダメなんだよ~」と自分の説教大会になることも。
そして、裏で「大島さんみたいにはなりたくないよね」と言われてしまう。
「こんなのおかしい」と気が付いていながらも周りの人の笑顔が消える瞬間が怖くて、いつもニコニコして空気を読んでしまう。
これってとても共感できませんか?
自分の気持ちをないがしろにして、その場の空気に合わせてしまうことってありますよね。
凪はそんな自分を変えたいと思って自分探しのお暇を始めるのですが、その中でも自分がないがしろに扱われて戸惑ってしまう場面がたくさん出てきます。
そのたびに、「あ~わかる。こう思っちゃうよね」と、凪の感情に共感できる部分が出てくるのではないでしょうか。
作中に直接書かれているわけではないのですが、凪はHSPまたはアダルトチルドレン的要素があるように思います。
そんな彼女の感情に、共感できるHSPさんが多いと思います。
感受性が豊かなところ
凪の感受性が豊かなところにも、共感ができるのではないでしょうか。
凪は自然や物から様々なことを感じ取ります。
水族館で見た群れからはぐれて泳ぐイワシに自分を重ねたり、クレーン車を見て自分は何も世の中のことが見えていなかったと気付いたり。
そして、それは周囲の人に対しても同じ。
アパートの隣の部屋に住む小学生のうららちゃんが寂しい思いをしていることに、凪は気が付いていました。
そして、過去に自分も辛い経験をしていたからこそ、うららちゃんの気持ちに寄り添うことができたりします。
また、凪は他の人なら見逃してしまうようなほんの小さな出来事に心から喜ぶことができます。
凪と一緒にそういった場面で、心がほっと温まるような体験ができると思います。
良心的であること
HSPはとても良心的と言われていますが、凪もその通りです。
パワーストーンを売りつけてきた坂本さんと友達になってしまったり、うららちゃんの遊び相手をしたりと少しお人好しではと思われてしまうほど良心的。
人を傷つけることのない彼女の良心的な振る舞いは、安心してみていられます。
自分の過去と戦っていること
凪は様々な過去のトラウマと戦っています。
貧乏だった幼少期、小学生時代のこと、慎二との思い出など。
その中には、私たちにも共感できるものもあるのではないでしょうか。
そんなトラウマに向き合って前に進もうとしている凪の姿に、元気付けられると思います。
母親との関係性
『凪のお暇』はドラマの影響もあってか恋愛ものだと思われがちなのですが、私は本当は親子関係がテーマのお話だと思っています。
凪は自分探しをしていく中で、母との確執にぶつかります。
凪が本当に向き合わなければならない課題は、この母との関係性にあるということがわかってきています。
ネタバレになるので詳しく書きませんが、最新刊の8巻では母との関係性に進展がありますので、ぜひ読んでみてください。
HSPの中には、アダルトチルドレンであるという方もいるようです。
実は私もその中の一人だと思っています。
私のような人に自分の母との関係性を考えながら、読んでみていただきたいと思います。
登場人物に悪者がいないから
続いてのおすすめできる理由は、登場人物に悪者がいないこと。
『凪のお暇』には絶対的な悪者がいないように思います。
というのも、悪者だった人でも次の話でその人の悲しい過去が明らかになったり、悪者というだけで終わらないのです。
私たちは、つい嫌な人のことを絶対的な悪だと思ってしまいます。
ですが、絶対的な悪なんて本当にこの世界にいるのでしょうか。
嫌な人にも悲しい過去や考えがあるということを、私たちは忘れてしまいやすい。
そんなことを思い出させてくれます。
絶対的な悪がいないことで、優しい気持ちで読み進めることができます。
人間描写がとてもリアルだから
この漫画は、人間描写がとてもリアルです。
登場人物一人ひとりがとてもリアルで、現実世界のどこかにいる気がしてしまいます。
私がすごくリアリティを感じて鳥肌が立ってしまったのが、坂本さんの大学の先輩が務めている会社の社長の様子。
作品を読んでいただければわかると思うのですが、とてもリアルで残酷じゃないですか?
そして、私がもう1つリアルだなと感じているのは、綺麗ごとで終わらないこと。
物語にありがちな「ありえないでしょ」とつっこみたくなるような展開がありません。
時に残酷なのですが、それが現実ですよね。
ぶっとんだ物語的な展開で読者を置いてけぼりにしないところが好きです。
比喩表現が散りばめられているから
先ほど凪の感受性のところでもお話しましたが、この漫画は比喩表現がとてもたくさん出てきます。
凪の人間関係をイワシの群れに表現したり、親子関係を根雪で表したり。
それだけでなく、その隠喩によって登場人物の考え方の違いを表現しているところもあります。
それがすごくおしゃれで、おもしろいと感じます。
また、一見理解しがたい内容でも比喩を追うことで理解が深められていくこともあります。
感受性が豊かなHSPさんには、このおもしろさがわかるのではないかと思います。
まとめ
①凪に共感できるから
②登場人物に悪者がいないから
③人間描写がとてもリアルだから
④比喩表現が散りばめられているから
いかがでしたでしょうか。
『凪のお暇』は、ぜひHSPに読んでいただきたい作品なのですが、ドラマ版と違ってもっと深い内容となっているため、少し精神的に辛くなる方もいるかもしれません。
ですが、絶対読んで後悔はないと思います!
元気があるときに、凪と一緒に自分の人生を振り返ってみてはいかがでしょうか。
『凪のお暇』について、今後は1巻ずつレビューを書こうと思っています。
よかったらそちらもご覧ください。